気持ちをすっと落ち着けたい朝、蓮の実入りのお粥を作りました。
薬膳料理でおなじみの「蓮の実(蓮子)」は、蓮の花が咲いた後に膨らむ、花托の中にできる実( ちなみに蓮の根っこはレンコン!)。
妖怪感といいいますか、気難しさといいますか、とっつきにくさのある食材ですが……オラオラしているのは見た目だけ。
お粥にしたらもう、ノドをゴロゴロ鳴らしてスリスリしてくる猫ちゃん並みに癒してくれる食材です。
蓮の実は栗のような、お豆のような、ほっこりやさしい食感&お味で、それはそれは癒し系。実際に心を落ち着かせ、安眠をもたらす働きがあるのだとか。
お薬に頼るほどではないけれど自分を癒したい日。蓮の実粥、おすすめです。
蓮の実粥のレシピ
おすすめシーン:癒されたい日、不眠対策、精神安定、胃腸の養生
蓮の実の下ごしらえ:10分から一晩
調理時間:50分
材料(お茶碗2杯分)
- 生米 1/2合
- 水 750ml
- 蓮の実 20個
- 塩 小さじ1/3
つくり方
蓮の実の芽をとり、時間に余裕があれば水に浸しておく。(今回は一晩)
厚手の鍋によく研いだ米、水を切った蓮の実、水750mlを入れる。具材のかたよりがないように鍋底をならして、中〜強火にかける。
鍋の中がぽこぽこと沸いたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。鍋にお箸を渡してフタをした状態で、ふつふつと波打つ程度の弱〜中火で30分煮込む。
さっとアクをすくいとり塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜて火を止める。フタをして5〜10分蒸らす。器に盛りつけたら完成!
< ポイント >蓮の実の芽を取り除く
蓮の実の中にときどき残っている「芽」は苦味の強い部分。爪楊枝などでツンとつついて取り除いておくとえぐみのないお味に仕上がります。
< 要改善 >
しっかり浸水をした蓮の実は重みがあるため、コトコト煮込んでいる間も鍋底に溜まるようです。一部分が鍋底にこびりついて蓮の実が割れてしまいました。次回は途中で1〜2度かき混ぜようと思いました。反省、反省。
甘露煮やシロップ漬けにすることも多い「蓮の実」。栗やゆりねの親戚のようなお味です。
ほっくり、おいし〜い。
お砂糖と一緒に煮込んで甘いお粥にすることも多いようですが、ごくごくシンプルなお粥に仕上げました。
水キムチとあわせて。
じんわり温まって、甘みにほぐされて。
おいしくいただいたあとはゆっくりお昼寝でも……みたいな、ゆるゆるな気分になれちゃう蓮の実粥。
ふう、癒されました。
と〜ってもおいしかったです。ごちそうさまでした!
脾を守る果実として珍重され、胃腸機能を整えて精力を養い、百病を癒す薬として用いられてきました。さらに、精神面にも効用があり、心を落ち着かせ、安眠をもたらすといわれています。
『増補新版 薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』喩静・植木もも子、2018年、西東社 P.31「蓮の実」より