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【考察】小正月のあずき粥【お粥研究家の粥日記2023/01/15小正月】

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1月15日、小正月にいただく小豆粥。家族の健康と豊かな実りを祈る、邪気払いのおかゆです。

実は、お祝いごとの時にお赤飯を炊く習慣のルーツは、この小豆粥にあるという説も。お赤飯よりもずっとずっと長い歴史を持った食べ物です。

七草粥ほどの知名度はありませんが、小豆粥も心と身体を整えてくれる、すてきな伝統行事。ちょっぴり裏側を知ると、ありがたさが増したりしますよね。

もくじ

小豆粥のルーツは中国の故事

『枕草子』にも小豆粥が登場。

十五日は、もちがゆの節供参る。粥の木ひき隠して、家の御達ごたち、女房などのうかがふを、打たれじと用意して、常に後を心使ひしたる景色もをかしきに、いかにしたるにかあらむ、打ち当てたるは、いみじう興ありてうち笑ひたるはいとはえばえし

※太字は鈴木により

もちがゆは「もち粥」と書きます。小豆粥が陰暦15日の「望の日」に食べられることから、そのような呼び名がついたのだとか。

さまざまな伝統行事と同様、小豆粥ルーツは中国の故事。

むかしむかし、正月十五日に蚩尤しゆうという悪人が黄帝こうていに処刑されました。黄帝は悪人の霊を慰めることに。そこで登場するのが、小豆粥。赤い色には呪力がこもると信じられていたため、白粥ではなく、小豆粥を炊いたのだそうです。
※わたしの超訳です。笑

さまざまな知恵と文化と共に日本に流入、各地に根付いていった、ということなのでしょうね。

先ほどの故事の名残なのか、日本でも小豆粥はものごとの切り替わりの時期や、季節の変わり目など「物忌み(不浄をさけること)」のときの食べ物とされ、引っ越しの際や、お葬式、大師講に食べられていた地域もあるそうです。

また、小豆粥は「望粥」以外にも、地域によって「桜粥」「紅調粥うんじょうじゅく」「あかつき粥」などさまざまな呼び方があります。なんとなく字からハレっぽさが共通していますね。地域によって呼び方が多様ということは、それだけたくさんの場所で、それぞれの形で愛されてきたお料理なのでしょうね。

お粥で占い「粥占神事、筒粥神事」

さて、日本各地で「粥占神事」が行われるのも、多くは今日1月15日小正月。筒粥神事とも呼ばれています。

ざっくりと言うと作物がどのくらい収穫できるかを占う行事

  • 1月15日の小正月に小豆粥で行う神事
  • 粥箸と呼ばれる木の棒を粥に入れてぐるぐる
  • 棒を取り出して、棒にくっついた米粒や小豆の数によって豊凶を占う

※地域によって手順や詳細は異なります

かつてはムラや集落ごとに共同で行われていたそうですが、近年は衰退の一途なのだそう。特に食べ物を扱う行事であるがゆえコロナ禍では中止となった地域も多かったようです。

私の住んでいるエリアでは残念ながら行われていないので、いつか訪ねてみたい行事のひとつです。

韓国でも小豆粥

ちなみに韓国では「冬至」に小豆粥を食べる文化があるそうです。

中国、韓国、日本。隣県と文化が似るように、お国同士のご近所さんも近しい文化があるだろうなあ。

2023年 我が家のあずき粥

さてさて話が長くなりました。我が家でも小正月の「あずき粥」をつくりました。

今年は桜の塩漬けを乗せて、ちょっぴりおめかし

あずき粥に加える塩味としては「ごま塩」や「塩昆布」が定番ですが、桜の塩漬けの塩っけは色っぽくて、うっとりしちゃう感じ。

桜の塩漬けを乗せた小豆粥の写真

ゆっくり味わいたいあずき粥にぴったりなお供でした。

無病息災を祈りながら。おいしく、元気に、冬をたのしめますように。

参考書籍:『広辞苑 第七版』『日本歴史大事典(小学館 )』『角川俳句大歳時記 新年(角川学芸出版)』

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運営者情報

鈴木かゆのアバター 鈴木かゆ お粥研究家

お粥研究家。24時間おかゆのことを考えている人。「食事でじぶんを整える」をテーマに、毎朝の自分の体調に合わせたおかゆを作っている。お粥を作るのも食べるのも見るのも大好き。

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