1月7日は人日の節句。無病息災を願い七草粥をいただく日です。
「正しい七草粥」も魅力的だけれど、自分の「食べたい!」に従う「自分の身体が欲する七草粥」もと〜ってもすてき!
今回は、大鍋で作ってもペロッと食べちゃう、鶏肉の旨味満点のごちそう七草粥を紹介します。
香草系の鶏料理は抜群においしいですから、鶏粥×七草も絶品◎
「春の七草」は英語で「spring’s seven herbs」と訳すことも。たしかに鶏の旨味と合わせると、七草はハーブなんだな〜としみじみうっとり。
ちなみに鶏肉には疲労回復や胃腸を温める働きがあるのだとか。おいしいだけじゃないのですねえ〜!
七草と鶏肉で、お正月で疲れた胃腸を、おいしく、やさしく、ケアしましょ。
極論、米を煮込めば粥になりますので、どど〜んと大鍋で、気楽にお試しください。雑に作ってもうまくいくのが中華粥の良いところだったりします。
記事後半では全工程写真付きで詳しい作り方をご説明します!
七草香る中華風鶏粥のレシピ
調理時間:50分
材料(お茶碗4〜5杯分)
- 生米 1合(約150g)
- ごま油 小さじ1
- 骨つき鶏肉 200〜300g程度
- にんにく 1かけ
- しょうが 1かけ
- 七草 1パック
- 水 1500ml
- 塩 小さじ1〜
<注意>野草の七草はこのレシピではNG
スーパーで入手できる「七草セット」を使ったレシピです。自然から摘んだ野草でつくる七草粥は調理法が異なりますのでご注意ください。
<ポイント>鶏肉は骨つき肉がおすすめ
骨から旨味がたっぷり出ますので、骨つき肉の鶏肉がおすすめです!手羽先、手羽元、手羽中、もも肉など。鶏軟骨もおいしいですよ。
つくり方
厚手の鍋に研いだ米を入れ、ごま油を絡める。鶏肉、にんにく、薄切りにしたしょうが、水を入れて中〜強火にかける。
七草の下ごしらえを済ませておく。すずな(かぶ)、すずしろ(大根)を食べやすい大きさに切る。葉物は細かく刻んでおく。
鍋の中がぽこぽこと沸いたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。お米が踊る程度の中火で30分煮込む。
さっとアクをすくいとり、七草を入れる。塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜて火を止める。器に盛りつけたら完成!
詳しい作り方
写真つきで詳しい作り方をご紹介します!
今回のおかゆは油を使うため、土鍋は避けましょう。
土鍋で油を使用する調理をすると、土鍋の表面の細かな穴に油が入り込んでしまい、傷みや割れの原因になることも。表面がツルツルとした厚手の鍋、ステンレス製鍋やホーロー鍋がおすすめです。
①ごま油を絡め材料を入れる
厚手の鍋に研いだ米を入れ、ごま油を絡めます。
中華粥のポイントは「油」!
油を入れることでおかゆが乳化。とろとろ〜の口当たりに仕上がります!
鶏肉、にんにく、薄切りにしたしょうが、水1.5Lを入れて中〜強火にかけます。
②七草の下ごしらえ
鍋の様子を見守りつつ、七草の下ごしらえを済ませておきます。
すずな(かぶ)、すずしろ(大根)を食べやすい大きさに切ります。葉物は細かく刻んでおきます。
すずな・すずしろの切り方はお好みで。薄切りの場合は後ほど葉物と一緒にお鍋に。ゴロゴロサイズの場合は、このとき鍋に入れてしまいます。
③コトコト煮込む
鍋の中がぽこぽこと沸いたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜます。
ときどき混ぜながら、お米が踊る程度の中火で30分煮込みます。
④七草を入れて味つけ
さっとアクをすくいとり、刻んだ七草を混ぜ込みます。
塩小さじ1で味をととのえます。鍋全体をゆっくりとまぜて火を止めます。
もし味が物足りなく感じたら、塩を足してみてください!バチッと塩が決まると、シンプルな材料でハッとするほどおいしいおかゆができるのです!
器にもりつけて、完成です!
いただきます!気になるお味は?
鶏の甘みのある香り、七草の青い香り、合いますねえ〜……!そそる香りです。
一口目は「うわっ!七草、つよっ!」と感じます。青みがドドド〜ッ!
ところが不思議なもので、二口目、三口目と食べ進めるうちに、青みが遠くになり、鶏の甘み、すずな(かぶ)・すずしろ(大根)の甘みを感じます。
油を入れたことで、おかゆがとろり。ああ、この口当たりがし・あ・わ・せ!
とろみが強いから、食べ進めるうちに身体がぽかぽか。指先まで温まります。
大鍋でつくったのに、ぺろっと食べちゃいました。
アレンジするなら?
にんにく・しょうがは、香りづけと臭み消しの役割。ねぎの青いところや、セロリの葉もおすすめです◎
長芋やクコの実、高麗人参などを入れて「参鶏湯」っぽくしたり。
黒胡椒を振って、食欲増進効果を高めたり!
シンプルだから、アレンジ無限大∞
ぜひ気軽にアレンジして、心と身体にやさしいひとときをお過ごしくださいね。
とっておきの七草粥に出会えますように!
脾と胃の働きを助け、胃腸を温めることで、食欲不振や下痢を改善します。血と気を補って、疲労回復や母乳の出をよくする効果もあります。
『増補新版 薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』喩静・植木もも子、2018年、西東社 P.242「鶏肉」より