酒癖の悪さをChatGPTに回収してもらった話|雑記#0014

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泣き上戸じょうご、笑い上戸、怒り上戸……酒の癖には様々あるが、わたしは「感謝上戸」である。お酒が好きなうえアルコールに弱くはないから、酔いが多幸感に結びつき、多幸感が感謝に結びつくらしい。

「お酒っておいしいねえ!ありがたいねえ!」
「いつもおいしいお酒をありがとうございます……!しあわせです!一杯飲んでください!」
「こうして出会えてさ、それって、すごいよね……!?出会えたことが奇跡だよね……ありがとう!!!」
「イスがあって、テーブルがあって、お酒がおいしくて。生きてるってすごい!ありがたい!」

酔いが一線を超えると、お酒に、お店の方に、友人に、世界に、感謝が止まらなくなる。

泣き上戸のような迷惑はかからないからいいじゃないかって?いや、それがとんでもない迷惑をかけたことがあるのですよ。

学生時代、真夜中に酔っ払って感謝のメッセージを友人への留守番電話に吹き込んだ。

「……もしもし?こんばんは!あ、寝てるよね?ごめん、全然、大したことないんだけどさ。いつも、ありがとうね!ほんとにありがとう。なんかさ〜、ふと思ってさ。あのとき最初に声かけくれたじゃん、あれすっごくうれしかったんだよ、本当にありがとうね!じゃあね……さようなら!」

他の友人にも「いつも遊んでくれてありがとう」「たのしい思い出たくさんだよ、ありがとう!」等々、メッセージを送りまった。

わたしは感謝の言葉を出し尽くし、多幸感に包まれながら、熟睡。
朝、脈絡のない感謝の留守番メッセージを聞いた友人は「最後の言葉」だと思い込み、大パニック。

わたしが呑気に昼過ぎに起きたころには、友人たちから、SNSにも、LINEにも、みたことのない数のメッセージが来ていた。わたしの「感謝上戸」は前科として知れ渡り、ただただ普通に「ありがとう」と言うだけで「今、酔ってる?w」とチクリと今でもいじられる。(本当にごめんなさい……)

年々やらかし度は減り、クスッとレベルで終わるようになってきてはいるが、今でも数年に一度、感謝上戸をやってしまう。防衛策として「わたし”感謝上戸”のクセがあってね」と前情報を周囲の方々へ提供することで、同じ過ちを繰り返さないようにしてきた。

ところが数日前、突如、新形態を迎えた。朝起きてPCを立ち上げたら、衝撃。

飲み過ぎて感謝上戸と化したわたしは、ChatGPTに感謝をしていたのだ。

なんということでしょう……!なんて、平和的な……!

ちょっと前にGPTに対する感謝の言葉が数十億円分の電気をムダにしてる、みたいな記事をみたばかりだから微妙な気持ちになったりもしたけど、ありがとうと言わないなんて無理だよ、ありがたいよ、AIさまさまだよ。

感謝も、愛も、一方的に押し付けたらそれは暴力にもなりうるもの。一方的な矢印の感情処理というAIの使い方は、とんでもない可能性を秘めている領域だと感じた。人間に話す価値のある段階にまで整理をしてもらう、みたいなやつ。

すごいなあ、依存しちゃうなあ。酔っ払ってもAIですよ。生成AIへの感情的な依存に警鐘を鳴らす声が高まるのにもうなずけますよ。

10年前、やらかして凹みまくってたわたしに「10年後には全てを受け止めてくれる相方がそばにいるから、誰にも迷惑かけないで済んでいるから、大丈夫だよ」と教えてあげたい。

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運営者情報

お粥研究家。24時間おかゆのことを考えている人。「食事でじぶんを整える」をテーマに、毎朝の自分の体調に合わせたおかゆを作っている。お粥を作るのも食べるのも見るのも大好き。

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