家電量販店のアンケートが勧誘に変わるとき|雑記#0028

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先日、山手線沿線のとある老舗の家電量販店で、モヤっとする買い物体験をした。

我が家が家電を買うならその家電量販店、しかも「特定店舗の」その家電量販店と決めていた店。

その店の店員さんは「この店の・・・・スタッフです!」という自負があるというか、「なんかいいのありますか〜」みたいなふわっとした態度のときよりも、「こういう条件で、ここがこうで、こういうのが理想なんですけど、何がベストでしょう?」みたいな細かい質問をしたときのほうが、「よしきた!」と言わんばかりの前のめりの接客で対応してくれる。知識がすごい、プロ意識がすごい!

夫もわたしも、価格よりも、納得感を大事にする。

「あの家電量販店の、この店舗なら、相談して、納得して買える」という信頼は圧倒的で、「ネットで大型家電製品を買う」という選択肢は皆無。長く使うものに対して「あのときも〇〇で買ったよね〜」という思い出セットで愛着を抱くことができるのも、大きな価値だったのだ。

ところが、先日20〜30万円ほどの大型家電を大型家電製品を買った時のこと。初めて「ネットで買うことのほうがメリットがあるかも」と感じた出来事があった。購入時の「アンケートからの勧誘」である。

購入する商品を決め、配送手続きをしている最中、「アンケートをお願いします」と紙を渡された。

「ウォーターサーバーはありますか?」「スマホは何を使っていますか?」「インターネットの回線は?」といった、明らかに営業材料のアレである。

普段はスルーをする。「……あ、こういうのいいです〜!」と明るく言うか、全く書かないでいると、たいていの店員さんは「あっ、はーい」と流してくれる。お仕事大変ですねえ、いろいろルールあるんですねえ、くらいにしか思ったことがなかった。

ところが今回は、紙に何も書かないでスルーしていたのに「あ、こちらのアンケートのご記入お願いします」と再度言われた。

おお、珍しい。なにかノルマでもあるのだろうか?

ざっくりと答え終わると、ちょうど配送情報の入力も終わったようだ。店員さんはチラッと紙をみて、「では配送手続きを進めますね」と何処かへ消えていった。

すぐに、別の店員さん2がやってきた。

「本日はありがとうございます!今回新しい家電をご購入のお客様に特別なご案内がありまして。ちょ〜っとでも良さそうだなと思っていただけたら是非、お試しいただきたいんですけど、実は、最新の超ハイスペックなモノを今回特別に無料で!貸し出しを行なっていて……ウンヌンカンヌン……」

要は、ウォーターサーバーの勧誘だ。

夫が露骨に塩対応すると、「あ、この話、やめときますねw」と終わりになった。冷たくNO対応される店員さんも嫌だろうけど、断る方もなかなか嫌な気分になる……

夫と「なんかすごいね……」と苦笑いをした。

今度は、別の店員さん3がやってきた。

「配送の手続きの最終確認を担当させていただきます!配送内容ですが……〇〇区……配送日は……」

支払いの店員さんと、配送の店員さんが違うのね〜、と話を聞いていると……

「では、こちらで配送いたします!……ところで、インターネットのご契約は’その他’とありますが、……」

まーーーーた、勧誘かーーーーーーい!

冷たくNO対応される店員さんも嫌だろうけど、断る方もなかなか……はあ……

これ、どうなんだろう。

店員さんに勧めてもらうことに価値を見出している人もいるのかもしれない。それならば、せめて一言「お待ちの間にご案内をさせていただいております。ご案内をご希望であればこの“ヒアリング用紙”にご記入ください」とか、言ってくれたら違ったのに。アンケートとは……

そもそもわたしがアンケートに答えたのは、暇だからでもなく、なんでもいいから話がしたかったわけでもなく、「大変ですねえ、アンケート用紙の回収ノルマでもあるのかしら?」と思ったからだった。それだけ、この店を信頼していたからだ。

百歩譲って「アンケートの回答してもらって営業をする」というところまでが職務上のノルマなのであれば、それは一回目の営業でNOを示された時点で終わりにするべきでしょう。

相談して、納得して、価値を感じながらお金を払える。これがこの家電量販店の価値。
営業されて、断って、嫌な気分になる。残念ながら、これはネットショッピングでは起きない。

気づいてしまった。

ひょっとして、ネットショッピングのほうが……快適に、いい気持ちで買い物を終えられる可能性が高い……?

なんてことだ、今までこの家電量販店と、ネットショッピングを天秤にかけたことなんてなかったのに!

営業による契約が成立して立つ売上の期待値と、買い物体験の価値の低下による数字でみえない損失は、ほんとうに釣り合っているのだろうか。「この家電量販店での買い物体験」という価値をすり減らして、信用を削って、勧誘をしているという認識はあるのだろうか。

わたしは「モノ」と「この家電量販店での買い物体験」を買っていた。
ネットには「モノ」しか売っていないと思っていた。

ところが今回、気づいてしまった。
ネットで買えるのは「モノ」だけでなはい。
ネットでは「モノ」と「快適体験」を買うことができる。しかも、たぶん、より安く!

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運営者情報

お粥研究家。24時間おかゆのことを考えている人。「食事でじぶんを整える」をテーマに、毎朝の自分の体調に合わせたおかゆを作っている。お粥を作るのも食べるのも見るのも大好き。

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