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運営者:鈴木かゆ
お粥研究家
24時間おかゆのことを考えている人。「食事でじぶんを整える」をテーマに、毎朝の自分の体調に合わせたおかゆを作っている。お粥を作るのも食べるのも見るのも大好き。

『ヒルマ・アフ・クリント展@東京国立近代美術館』発信活動・創作活動をする全ての方に!思ったことと感じたこととの覚書|雑記#0022

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東京国立近代美術館で6月15日まで開催の『ヒルマ・アフ・クリント展』。

とても素晴らしかった!発信活動・創作活動をする全ての方におすすめしたい企画展でした。

これから観覧する方も多いと思うので、写真少なめの感想記事です。

もくじ

ヒルマ・アフ・クリントって?

この展覧会のポスターをみるまで、わたしはヒルマ・アフ・クリントさんという方を知らなかった。それもそのはず、近年「再発見」された画家なのだ。

ヒルマ・アフ・クリントは、スウェーデンの女性画家。大量の作品を残しながら「死後20年は作品を公開しないように」と言い残し、彼女がこの世を去ったのが1944年のこと。2018年にNYのグッゲンハイム美術館で開催された回顧展で当時の史上最多動員記録を更新するなど、2010年代に急速に再評価が高まり(死後70年を経て!)、世界の美術館が続々と展覧会を開催中。ついにアジア初の大回顧展が東京で開催!という経緯。

ヒルマ・アフ・クリント
『ヒルマ・アフ・クリント展@東京国立近代美術館』

美術の歴史では、カンディンスキーかモンドリアンが抽象絵画の創始者とされているが、近年はヒルマ・アフ・クリントが創案したのでは?という見解も。

「抽象絵画の先駆者」「ついに世界に発見された」「アジア初の大回顧展」「日本初公開、約140点」……

ゾクゾクッ!と、見てみたい!を、掻き立てる、キラキラキャッチに捉えられて、足を運んだのでした。

思ったこと、感じたことの覚書

展示を通してわたしが思ったこと3つ。

思ったこと、その1。圧倒的、創作エネルギー!彼女の作品に難産の気配を一切感じなかった。どんどん次から次から書きたいものが溢れてきて、自分が書くべきものが完璧に自分のなかにあったのだろうな、と感じた。「発信活動・創作活動をする全ての方におすすめしたい企画展」と思ったのはこれが理由で、他者からの評価とか、ニーズとか、そういう次元ではなくて、創ることが天命なんです、と進み続ける力強さは、それだけで尊い。めちゃめちゃ創作エネルギーが満ちていて、何かが創りたくなるような、自分も何か動かなきゃ!と思うような、ポジティブになれる作品たちだった。

思ったこと、その2。サイズというものは人を圧倒する力がある。企画展ポスターにもなっているオレンジの絵は、なんと3mもある巨大な絵!部屋に入って、思わず「でかっ!」と、声が出た。

10点組の絵画〈10の最大物〉シリーズの部屋
『ヒルマ・アフ・クリント展@東京国立近代美術館』

超高画質のディスプレイだろうと、超高精度の印刷物だろうと、やっぱり実物というものには全く敵わない。美術館に行くたびにいつも思う。そこにサイズという要素が加わると、さらに「実物、すごー……」と圧倒される。

大きいことには意味がある。たとえば御神木ごしんぼくは、太く高いほどに神聖性が高まるとされる。大仏も、大鳥居おおとりいも、ピラミッドも、大きいほどに威厳があり、神に近い位置となる。大きさは人が直感的に価値を感じる要素なのだろう。3mの支持材という「確実に人間よりも大きい(=同じ高さの人間の存在はない)」という大きさの選択は確実に意味がある。わたしはこの絵より小さい、この絵はわたしより大きい、という事実は、それだけで手放しになるような、圧倒感に包まれる心地があった。

思ったこと、その3。配置や順序が本来と違う?ということ。展示の作品のある場所が「本来じゃない感じ」があるものがちょいちょいあった。明るさとか、高さとか、順序とか、なんとなく「この絵を窓のない場所で見るのが違う気がする」とか「この順番であってる?」と思うことがあった。

この感覚が、なんと、たぶん当たっていたのだ!ヒルマ・アフ・クリントは、人生の終盤に「神殿」をつくる構想を深めていたという。「絵画を収めるための建築物=神殿」。残念ながら実際の神殿の建設は実現しなかったが、建設場所の候補も実際に挙げられ、建物のスケッチも内部の絵画の配置まで具体的なものだったという。彼女の中にあった、こんな絵を描くべきという迷いのなさ、そして、こんなふうにみられるべき、という感覚に、触れられた気がしてうれしかった。

まとめ

創作の動機が自分にあるって、最強ですね……!

すごく神聖な、澄んだものに触れた気がする、すばらしい時間でした。

『ヒルマ・アフ・クリント展』は東京国立近代美術館で6月15日(日)まで。

金曜日と土曜日は20時までやってるから、夜鑑賞もおすすめです。是非!

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