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アルトコロニ村のコロネパン|雑記#0035

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むかしむかし あるところに アルトコロニ村 という ちいさな村が ありました。

アル・ト・コロニじいさんと アル・ト・コロネばあさんが 山をたがやして つくった 村です。

コロニじいさんは はしっこがだいすきでした。

まちの はしっこ、森の すみっこ、パンの耳。

「まんなかよりも はしっこに いいものが つまっているんじゃよ、ふぉふぉふぉ」

そういって へやの すみの つくえのしたに ふとんをひいて ねむるのでした。

コロネばあさんは うずまきがだいすきでした。

せんめんきのみず、かたつむり、アイスクリーム。

「ぐるぐるまきの まんなかの さきっぽが たまりませんねぇ」

そういって ミイラのように もうふにくるまって ねむるのでした。

そんなふたりが つくった アルトコロニ村には いまでも ときどき 旅人が まよいこみます。

アルトコロニ村の やさしい村人は ふかふかの お布団を しいて 旅人たちを もてなします。

「ねなさい、ねなさい。たっぷり、ねなさい。ぐるぐるまきで、すみっこで。旅のつかれも あしたの ふあんも ぜんぶ ふきとびますから」

そして あさには 村のめいぶつの パンを つくります。チョコレートが はしっこまで たっぷりと つまった「コロネ」という ぐるぐるまきの パンです。

「ころころ ころね、ころ、ころね。コロネを たべたら だいじょうぶ。ほらね ころころ げんきに なるでしょう」

旅人たちが すっかり おどろいて「すごい パンだ!つくりかたを おしえてください!」と おねがいすると、アルトコロニ村の やさしい村人は もちろん パンの つくりかたを 旅人たちに ていねいに おしえるのでした。

こうして 「コロネ」という げんきのでるパンが せかいじゅうに ひろがったのです。

つかれてしまったのに アルトコロニ村が みつからない?

だいじょうぶ。

コロネのように うずまきになって すみっこで たっぷり ねむりましょう。これが あさには きっと げんきになれる いちばんの まほうです。

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運営者情報

お粥研究家・料理研究家・文筆家・日常思想家。著書『日本、台湾、韓国etc. ととのうおかゆ365日』(KADOKAWA)。おかゆを通した食文化と暮らしの思想をテーマに、コラム執筆、レシピ開発、コンサルティングなど幅広く活動中。NHK 「あさイチ」、読売新聞、ほぼ日などに出演。JAPAN MENSA会員。

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