「玄米って、パサパサだし、難しいでしょ?」そんなイメージがある方にこそ試していただきたい、玄米のかんたんでおいしい食べ方「玄米粥」をご紹介いたします。
おいしい玄米粥の一番のポイントは、たっぷりの水で一晩浸水させること。
玄米粥はナッツのような香ばしさ、しっかりとした甘みがあるため、味が濃い目の添え物と相性抜群。すっぱい梅干し、佃煮、あられなどを乗せたり、「塩」をパラパラかけながらいただいたり。
玄米粥は、白米のおかゆのようにもっちりふっくらはしなくて、歯ごたえが残るのが特徴です。 ぱっと見ボリュームがでないので、「あれ?少なくない?」と思うかもしれませんが、ひとくちひとくち丁寧に味わっていると結構おなかにたまります。
食べ応え抜群で、栄養たっぷり*。ダイエットにもぴったりの玄米粥の作り方をご紹介いたします!
*「精白米に比べて玄米は、食物繊維やビタミンB群、ビタミンE、脂質、鉄が豊富。」
『NHK出版 からだのための食材大全』池上 文雄 (監修)ほか、2018年、NHK出版 P. 184「米」より
基本となるレシピのほか、記事後半ではおすすめのアレンジについてご紹介いたします!
生米からつくる『玄米粥』のレシピ
準備時間:一晩(玄米を水に浸す)
調理時間:1時間程度
材料(お茶碗2杯分/どんぶり1杯分)
- 玄米 1/2合
- 水 700ml
- 塩 小さじ1/3〜
トッピングに
- 佃煮、あられ、梅干しなど
<ポイント>玄米はお好みで◎
最後にお好みのとろみ感に調節できる作り方をご紹介します。使う玄米は、「分づき米」や「発芽玄米」など、お好みの玄米でOKです。
作り方
玄米をさっとすすぎ、たっぷりの水に一晩浸す。
浸水を済ませた玄米をざるにあけさっと洗い、よく水気を切る。厚手のお鍋に、玄米、塩(ひとつまみ)、水700mlを入れる。フタをせずに、鍋を中〜強火にかける。
温度が上がりポコポコとしてきたら、お鍋の表面が静かにふつふつするくらいの弱〜中火にする。箸を渡してフタをして、30分間火にかける。
フタを取り、水分を飛ばしながらときどき混ぜながら火にかける。
好みのとろみに仕上がったら、塩で味をととのえ、鍋全体をゆっくりとまぜて火を止める。お好みでフタをして5〜10分蒸らす。器に盛りつけたら完成!
詳しい作り方
写真つきで作り方をご紹介します。
①玄米を一晩水に浸す
玄米をさっとすすぎ、たっぷりの水に一晩浸します。
<ポイント>冷蔵庫で一晩浸水させる
おいしい玄米粥をつくる一番のポイントです。玄米にしっかり水を吸わせます。雑菌の繁殖を防ぐために季節を問わず冷蔵庫に入れることをおすすめします。
②鍋の温度を上げる
浸水を済ませた玄米をざるにあけ、さっと洗います。よく水気を切ります。
厚手のお鍋に、玄米、塩(ひとつまみ)、きれいな水700mlを入れます。
<ポイント>ひとつまみの塩!
ひとつまみの塩が下味になって、玄米の甘みがひきたちます。
フタをせずに、鍋を中〜火にかけます。
お鍋はフタつきのものならなんでもOKですが、煮込み料理が得意な厚手のお鍋がおすすめです。今回は宮崎製作所ジオ片手鍋18cmを使用しました。
<ポイント>きれいな水で作るべし
わたしの玄米粥の失敗談です。
「玄米の浸し水でおかゆを作った方が栄養たっぷり&おいしいのでは?」と思い試したことがあります。残念ながら、玄米の浸し水で作ったお粥は臭みが気になる代物……。使用する玄米の種類にもよるのかもしれませんが、しっかりと水を切り、きれいなお水で炊くほうがおいしいという結論に至りました。
③コトコト煮込む
温度が上がりポコポコとしてきたら、お鍋の表面が静かにふつふつするくらいの弱〜中火にします。
鍋にお箸を渡してフタをした状態で30分煮込みます。
<ポイント>吹きこぼれを防止
お箸をかませてフタをすることで、吹きこぼれを防止することができます。
④好みのとろみにする
とろみ具合を調節していきます。フタを取り、好みの水分量になるまでときどき混ぜながら火にかけます。
お急ぎの方は火を強めてガンガン水分を飛ばしちゃってください!
⑤味つけ&蒸らし
好みのとろみに仕上がったら、塩で味をととのえ、鍋全体をゆっくりとまぜて火を止めます。
お好みでフタをして5〜10分ほど放置して蒸らします。
蒸らしの時間を作ることでお粥に味が馴染んで、米粒がふっくらと仕上がります。
器に盛りつけたら、完成です!
いただきます!気になるお味は?
わあ〜香ばしい!香りがとても豊かです。
わたしはこのくらいのとろみが好き。5分ほど煮詰めました。
量でいうと、小さめのお茶碗2杯分でしょうか。白米でつくるおかゆほどふっくらはしないので、ぱっと見少なく見えます。
でも、ひとくちひとくち味わうようにいただくと、写真の量の玄米粥でも白いごはんを1杯いただいた時と同じかそれ以上にお腹にたまる感じがあります。
そして、口の中に広がる甘みが濃い!玄米の力強さを感じます。
もしかしたら白米のおかゆの味気なさが苦手な方でも、玄米粥なら食べられるという方もいらっしゃるかもしれません。豊かなおいしさです〜…!
完璧に思える玄米粥ですが、注意です。
玄米は魅力たっぷりですが、それだけパワフルな食材。体質を選ぶ食材*とも言われています。
また、玄米が白米に比べて腹持ちが良いということは、玄米は白米に比べて消化しにくいということでもあります。胃腸が弱っているときは特に、ご自身の身体と相談しながらお召し上がりくださいね。
*「玄米を食べると、まれに、胃が痛くなったり、アレルギーになる人もいます。体質に合わなければ、精白米をとりましょう。また、胃弱の人や老人、子どもは控えて。」
『増補新版 薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』喩静・植木もも子、2018年、西東社 P.83「米」より
アレンジするなら?
お味がしっかりしている玄米粥は、味の濃い添え物と相性抜群です!この日の玄米粥のお供は……
まぐろの佃煮、柿ピー、梅干し!
「ええ〜っ!?柿の種!?」と思われるかもしれませんが、これがね〜、おいしいんですよ〜!
柿の種はお茶漬けに入っている「あられ」のような感じ。香ばしさも、カリカリ食感も、いいアクセントになります。
おかゆもおせんべいもお米ですからね〜、合う合う◎
春には、ふきのとう味噌を添えました。
ほんのり苦味がおいし〜い!
白米の白粥だと味が負けてしまうような、いわゆる「ごはんのお供」にも玄米粥なら負けません。
山形の「だし」、貝ひもの佃煮も玄米粥と相性抜群でした◎
他にも、海苔の佃煮や食べるラー油、ふりかけなども合うと思います!
よりじっくり玄米の旨味を堪能したいときは、とっておきの「お塩」をかけながらいただくのもオツですね。
ぜひ、自分好みの「玄米粥」の食べ方をみつけてみてくださいね。
みなさんのいただきますが笑顔でありますように。ごちそうさまでした!