一番簡単なおかゆかも。白ごはんを炊くよりも、ごはんからおかゆを作るよりも、実は茶粥はラク!なんてったって、生米から30分で完成です!
茶粥は、奈良県・和歌山県で「おかいさん」と呼ばれ愛される、郷土料理でもあります。今回ご紹介する茶粥は、本場和歌山県の方に教えていただいた家庭で作る ”リアルな茶粥” 。
「ウチで作るときは分量も時間も計らないし、米と茶葉を同時に入れちゃうよ!茶葉もいいやつなんか使わないしね〜だって茶粥だもの!ハハハ〜」とおっしゃっていました。(関東生まれのわたしの心の声→「えっwそんな感じ……?w」)
さすがに分量も時間も「お好み」だとレシピにならないのでアレですが笑、実際、茶粥ってそのくらいラクで気軽なお料理なんですよね。家庭料理、日常料理。
おいしさのポイントは「ちょい固いかな〜」くらいの煮加減。酢飯を固めのご飯でつくるとさっぱりと美味しいように、茶粥もちょい固めくらいがサラサラっと美味しいのです。
一度作ると「なーんだ、こんなに簡単なのか〜」とびっくりするはず。お味噌汁のように目分量でパパッと作れるようになれますよ◎
基本となるレシピのほか、記事後半ではおすすめのアレンジについてご紹介いたします!
生米からつくる『茶粥』のレシピ
調理時間:30分
材料(お茶碗2〜3杯分/どんぶり1〜2杯分)
- 生米 1/2合(約75g)〜100g
- 水 1000ml
- お茶パック 1〜2個
- 塩 小さじ1/3
ご一緒に
- お漬物、梅干しなど
茶粥といえば「ほうじ茶」が定番です。
ほか、麦茶、紅茶、黒豆茶、ルイボス茶なども美味です。
「自分が和食と一緒に飲んでも嫌じゃないお茶」を目安にすると、アリ・ナシを判断しやすいと思います◎
作り方
深さのある鍋に水1000mlを入れて強火にかける。この間に米を研いでおく。
沸騰したら研いだ米、お茶パックを鍋に入れる。再び沸いたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。
フタをせずに15分ほど中〜強火にかける。ぐるんぐるんとお米を対流で踊らせながら煮込む。
※お茶の色が濃いめに出たらお茶パックを取り出す。
さっとアクをすくいとり、塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜたら、火を止める。お好みで5分ほど蒸らしたら、完成!
詳しい作り方
写真つきで作り方をご紹介します!
①湯を沸かす
深さのある鍋に水1000mlを入れて強火にかけます。
茶粥はぼこぼこと煮立てるため、大きめの深さのある鍋がおすすめです。今回は「ル・クルーゼ 22cm」ホーロー鍋を使用しました。
この間に米( 1/2合 )を研いでおくと流れがスムーズです◎
②茶葉と米を入れる
沸騰したら研いだ米、お茶パック( 1〜2個 )を鍋に入れます。
再び沸いたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜます。
③踊らせながら煮込む
フタをせずに15分ほど中〜強火にかけます。ぐるんぐるんとお米を対流で踊らせながら煮込みます。
火加減の目安は「コンロの火の場所が見えるくらいの強さ」。かなりボコボコ煮立てます。
上から見た時に、ドーナツのように火の跡が確認できればOK。
ポイント
色を出し切ったあとは渋みだけがでてきてしまうことも。
お茶がお好みの濃さになったらお茶パックを取り出すと澄んだお味に仕上がります◎
今回使った茶葉は色の出が良かったので1〜2分ほどで取り出しました。
④味付け&蒸らし
15分ほど煮込んで「ちょい固いかな〜」くらいの煮加減になったら仕上げに入ります。
さっとアクをすくいとり、塩( 小さじ1/3 )で味をととのえます。
鍋全体をゆっくりとまぜて、火を止めます。塩を馴染ませるために、お好みで5分ほどフタをして放置して蒸らします。
器にもりつけたら完成です!
いただきます!気になるお味は?
ほお〜、香ばしい!飾らない、素朴な香りです。
生米から30分でできちゃうって、ご飯を炊くより早い!◎
みてみて!強火で一気に炊き上げることで生まれる、このサラサラ感!
茶粥特有のこざっぱりとしたサラサラの口当たりが、毎日食べたくなる秘密です。飽きないおいしさ。
そんでもってお味は地味!ほんとうに地味で素朴で、それがおいしい。大人になるとこういうお料理が心と身体に沁みるんですよねえ。
素朴な茶粥には、茶色い系の渋い添え物が相性抜群です!
この日は、長めに漬けたぬか漬けと、塩と紫蘇だけで漬けた昔ながらのすっぱい梅干しを添えて。
他にも、いぶりがっこや、塩昆布、もろみ味噌、道の駅で売ってそうな渋い系のご飯のお供と◎笑
茶粥でほっと一息。おいしゅうございました。
アレンジするなら?
しっかり冷やして、冷やし茶粥
暑い季節や、身体に熱がこもっている時におすすめなのが「冷やし茶粥」!
固めに炊いて、余熱が取れたら、冷蔵庫でキンキンに冷やして。
ウチの夫は、二日酔いのときとか、発熱時に「冷やし茶粥なら食べられる〜……」とよく言います。
そんなときは、まとめて茶粥を作って「冷蔵庫に冷やし茶粥あるから、好きなタイミングで食べてね」と言うことにしています。(料理する者にとってもラクで最高!)
ひんやりが気持ちいいときって、ありますからね。
香りを足して、桜ほうじ茶粥
春には風流な「桜ほうじ茶粥」はいかがでしょうか?
ほわ〜んと、桜の香りが広がって、癒し度高し。
桜の塩漬けを少量の水で塩抜きして、塩で味付けをするタイミングで漬け汁ごと入れるだけ◎
桜の繊細な風味が生きるように、ほうじ茶は薄めに仕上げるのがおすすめです。
茶葉を変えて、黒豆茶粥・あずき茶粥
ほうじ茶の代わりに「黒豆茶」で炊いて「黒豆茶粥」!
麦茶、ルイボス茶なども美味でございます〜……!
あずき茶を使って「あずき茶粥」。
お豆の甘い風味が加わるからか、昔ながらのしょっぱい梅干しとの相性がピカイチでした。
スパイスを入れて、スパイス紅茶粥
「チャイ」をヒントに、スパイスと紅茶で「スパイス紅茶粥」!
生姜、クローブ、八角、シナモン、クコの実、なつめ、カルダモン、松の実、ナツメグ……ほ〜んとうに、お好みで◎
お豆を足して、豆茶粥
大さじ1ほどのお豆と一緒に炊いて、「豆茶粥」。
10分程度で火が通る、緑豆や打ち豆、皮なしのお豆ならなんでもできちゃいそう◎
ほくっと美味でございました。
ね、なんとも豊かな茶粥の世界。作りたくてソワソワしてきたでしょう!
シンプルだからアレンジ自在。
ぜひ、自分好みの「茶粥」をみつけてみてくださいね。
みなさんのいただきますが笑顔でありますように!ごちそうさまでした!