れんこんって甘いんだ!と感動する、れんこんの魅力がぎゅっと一皿に詰まったれんこんづくしのおかゆです。
ポイントはれんこんの入れ方。輪切りのれんこんとすりおろしのれんこんを組み合わせることで、輪切りのれんこんの「しゃきほく」食感と、すりおろしれんこんの「ふわとろねばり」のダブル食感をたのしむことができるのです◎
れんこんは胃腸の粘膜を保護してくれたり、のどの痛みを和らげてくれたり、炎症を抑えてくれたり*……とってもパワフルな食材!現代の医学が発達するずっと昔から、人々はれんこんを薬のように利用してきたのだそうです。今でも「れんこんのど飴」があったりしますものね。
お出汁代わりに使った「ごま油」の香りに誘われて一口食べたらきっとメロメロ。れんこんの甘みに、食感に、心もきっとほぐれますよ。
*「皮ごとすりおろしたしぼり汁は、のどの痛みや咳、痰の緩和によいといわれ、古くから民間療法でも用いられていました。そのほかにも、胃腸の粘膜を保護したり、止血の作用があるため、胃腸の痛み、炎症の緩和、歯茎の止血、鼻血を止めるなどの作用があります。」
『増補新版 薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』喩静・植木もも子、2018年、西東社 P.159「れんこん」より
基本となるレシピのほか、記事後半ではおすすめのアレンジについてご紹介いたします!
生米からつくる『れんこん粥』のレシピ
調理時間:50分
材料(お茶碗2杯分/どんぶり1杯分)
- 生米 1/2合(約75g)
- 水 750ml
- ごま油 小さじ1
- おろし生姜 小さじ1
- れんこん 100〜150g
- 塩 小さじ1
トッピングに
- 白ごまなど
作り方
厚手の鍋によく研いだ米、ごま油を入れて軽く混ぜる。水750mlを入れ、フタをせずに中〜強火にかける。
鍋に白い泡がふつふつと立ったら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。鍋にお箸を渡してフタをした状態で、ふつふつと波打つ程度の弱〜中火に20分かける。
れんこんの半分を3〜5mm厚に切り、もう半分をすりおろす。おろし生姜、れんこんをお鍋に入れる。先ほどと同様にフタをして、さらに10分煮込む。
さっとアクをすくいとり塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜたら、火を止める。フタをして5〜10分蒸らす。器に盛りつけたら完成!
詳しい作り方
写真つきで作り方をご紹介します。
①鍋の温度を上げる
厚手の鍋によく研いだ米(1/2合)、ごま油(小さじ1)を入れて軽く混ぜます。
<ポイント>ごま油は何のため?
ごま油が「出汁」の役割を果たします。仕上がりがベタつくことはありません◎
水750mlを入れ、ふつふつと沸くまでフタをせずに中火にかけます。
<ポイント>鍋の選び方
今回のおかゆは油を使うため土鍋での調理はおすすめしません。土鍋で油を使用する調理をすると、土鍋の表面の細かな穴に油が入り込んでしまい、傷みや割れの原因になることも。表面がツルツルとした厚手の鍋、ステンレス製鍋や琺瑯鍋で作ることをおすすめします。
②コトコト煮込む
鍋に白い泡がふつふつと立ったら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜます。
鍋にお箸を渡してフタをした状態で、ふつふつと波打つ程度の弱〜中火に20分かけます。
<ポイント>吹きこぼれ防止
お箸をかませてフタをすることで、吹きこぼれを防止することができます。
③れんこんを入れて煮込む
今回のれんこん粥のポイントは輪切りのれんこんとすりおろしのれんこんを組み合わせること!でしたね。
れんこんの半分を3〜5mm厚に切り、もう半分をすりおろします。
おろし生姜(小さじ1)と、下処理を済ませたれんこんをお鍋に入れます。
<ポイント>れんこんはぜひ皮つきで
れんこんの皮は風味も強く、栄養価の高い部分。よ〜くあらって皮付きでの調理をしました。また、酸化しやすいため直前にすりおろすのもポイントです。
先ほどと同様にフタをして、10分煮込みます。
④味つけ&蒸らし
さっとアクをすくいとり、塩(小さじ1程度)で味をととのえます。
鍋全体をゆっくりとまぜたら、火を止めます。
フタをして5〜10分、放置して蒸らします。
蒸らしの時間を作ることでお粥に味が馴染んで、米粒がふっくらと仕上がります。
お好みの具材とともに器に盛りつけたら完成です!
いただきます!気になるお味は?
わ〜〜〜!ごま油の香りが食べて食べてと誘ってきます。
れんこんとごま油って、ほんとうに相性が良いのですね。ちょうど「きんぴら」のように、れんこんの甘みがぐっと引き立つ組み合わせだという発見。
そしてそして、れんこんの粘り気でおかゆがねばとろ〜〜〜!
輪切りれんこんの「シャキほく」っとした歯触りと、おろしれんこんの「ふわふわ&ねばとろ感」。
れんこんの魅力がぎゅっと詰まった一皿でございました。
アレンジするなら?
胃腸の疲れが特に気になる日は「すりおろしのみ」のれんこん粥もおすすめです!
れんこんに含まれるアミラーゼという酵素には、消化を助ける働きがあるそうで。「アミラーゼ」はすりおろすと活性化するため、疲労回復効果もアップ!* だから胃腸が疲れている時によりぴったり!というワケ。
切り方次第で変わるとは、おもしろいですね。
他にも、小ネギをトッピングして、身体の温め効果をアップさせたり(風味も格段によくなります!◎)、胡椒をふって、血行促進効果をプラスしたり(より食欲そそられる香りに!)。
ぜひ、自分好みの「れんこん粥」をみつけてみてくださいね。
*「れんこんに含まれる酵素のアミラーゼには食べ物の消化を助ける働動きがあり、摂取したエネルギーを効率よく使えるようにしてくれる。酵素はすりおろすと活性化して、 疲労回復効果もアップ。」
『NHK出版 からだのための食材大全』池上 文雄 (監修)ほか、2018年、NHK出版 P. 88「れんこん」より
みなさんのいただきますが笑顔でありますように!ごちそうさまでした!