2024年秋、ベトナムにおかゆを食べに行きました!フォー(米麺)や、生春巻き(ライスペーパー)など、お米文化が盛んな国のおかゆが知りたかったのです。
結論、ベトナムのおかゆは、ほんっっっっっとうにレベルが高かったです。中国文化とフランス文化が混ざり合う国だからでしょうか、中華粥と西洋料理のいいところ取り。味の組み立てが自由。おいしい。安い。感動の連続でした。
そんなベトナムのおかゆ「Cháo」の特徴を言い表すのなら、「カラフル」!
まず、具材の種類が多種多様です。鶏・豚・海鮮だけでなく、アヒル・うなぎ・血のゼリーなど、日本では見かけない具材も盛りだくさん。味の濃さも、ボリューム感も、米粒の残り具合もお店によってまちまち。ハーブがどっさりついてくることも多く、一腕の中の食感や風味もカラフルです。
「これがベトナム粥です!!!」と、言い切るのが難しいからこそ(ちょうど日本のラーメン文化に近いかもしれません、醤油も味噌も塩もあって、具材もいろいろで、油そばもつけ麺もあって、地域差もあって……知れば知るほどこれがラーメンです!と一言で語れなくなるやつ)、わたしのレポを出会いのヒントにしていただけたらうれしいです。
情報は2024年秋時点のものです。最新情報のチェックをお忘れなく。また、ベトナム語ができるわけではないイチ観光客ですので、訳語や解釈が私見であることをご理解の上お役立ていただけますと幸いです!(サンキューGoogle翻訳!)
全部で20店舗くらいあるので、随時更新していきまーす!
イカ粥@Cháo mực Thanh Sơn(ホーチミン)……具だくさんローカルオンリーワン粥
具だくさんてんこもりの、旨いおかゆ!イカのおつまみやイカめしなどイカの旨味が好き!という方はきっと思い出の一皿になるはず!
こちら「Cháo mực Thanh Sơn(タンソンお粥屋)」の「Cháo mực」。イカのおかゆです。
イカのおかゆという名前の通り、全体の風味も、メインの具も、イカ!
旨味たっぷりでと〜ってもおいしいおかゆさんでした!
Googleレビューをみると、地元の方にも愛されているお店のようで。わかるな〜このオンリーワン感!具だくさんで真似できないわ!と思ったのでした。
店舗名:Cháo mực Thanh Sơn(タンソンお粥屋)
所在地:144 Nguyễn Đình Chiểu, Phường 6, Quận 3, Hồ Chí Minh, ベトナム
アヒル粥@Cháo Vịt Liên(ホーチミン)……鴨な肉の旨味と粥、そりゃ美味いわ
ベトナム粥といえばアヒル粥を連想する方も多いのではないでしょうか。あちこちにありましたよ〜、アヒル粥専門店!
アヒル肉ってどんな味?と不思議になるかもしれませんが、ざっくり言うと、鴨肉です。アヒルは漢字で書くと「家鴨」、家畜化した鴨。アヒルもカモも英語では「Duck」。ぎゅっと詰まった野生味のある赤身系の味は、鴨肉のイメージそのままでした◎
アヒル肉は小骨が多くて、鶏肉に比べたら決して食べやすいお肉ではないです。
が!ムチムチの歯応えと力強い旨味、ちょっとパサポソした肉質がクセになって、手が止まらない不思議……!
店員さんが、一碗で完結する「Cháo Vịt(アヒル粥)」よりも、「アヒルの料理+粥」のオーダーをすすめる意味がわかりました。肉→粥→肉→粥……と食べることで、いい感じで口の中の水分量が帳尻合うとでも言いましょうか、肉の味を口に残したまま、粥をすするって最高にウマイ!!!粥がサラサラのスープ系テクスチャなのはそういうことなのか!!!
地元の方で溢れかえる店内は、粥だけ、麺だけというオーダーではなくて、お料理+粥、またはお料理+麺という食べ方をしている方がほとんどでした。おかず+ごはんという食べ方をする日本の感覚に近いものがあるのかもしれません。
ちなみに店名の「Cháo Vịt Liên」の、「Vịt」は「アヒル」。「Cháo Vịt」で「アヒルのおかゆ」。アヒル粥の専門店です。ベトナムの飲食店は看板メニューを店名に提げることが多いようで、おかゆはおかゆでもどんなおかゆを専門にしているかがはっきり分かれていておもしろいですね。
おいしい出会いでした!
店舗名:Cháo Vịt Liên(Lien – Duck rice soup)
所在地:21/3 Đ. Nguyễn Thiện Thuật, Phường 2, Quận 3, Hồ Chí Minh 700000 ベトナム
カエル粥@The Ếch(ホーチミン)……日本人の口にめっちゃ合うやつ♡
土鍋に入ったカエルの煮物+白粥が定番セットの、通称「カエル粥」。日本の方の口にめっちゃ合うと思うな〜、これ!
カエルの煮物は麻辣みたらしって感じの、濃い味つけ。
カエル肉は鶏ムネのように淡白な味です。でも、ホルモンのような歯応えもあるから、ガッツリ濃いめの味付けにも負けないのでしょうね〜……!
これを白いおかゆさんにかけて食べるとおいしんだぁ……ああ、思い出すだけでよだれが……!あんかけ粥の原理で、おいしくて、感動!
シンガポール料理だそうですが、検索をするとベトナムの情報とシンガポールの情報と同じくらい出てくる不思議。実際にホーチミンで「Cháo Ếch(カエルのおかゆ)」とマップ検索すると、ローカル系からレストラン系まで、たくさんの店舗がでてきました。ベトナムの方の好物なのだろうな。
えっ……カエル……?とか、いろいろ考える前に、是非一度食べてみていただきたい逸品です。
店舗名:The Ếch – Cháo ếch Singapore ngon quận 1
所在地:20 Đ.Nam Quốc Cang, Phường Phạm Ngũ Lão, Quận 1, Hồ Chí Minh, ベトナム
公式サイト:https://theechvn.com/
ホルモン粥@Cháo lòng Chị Thanh(ホーチミン)……日本では食べられないおかゆが食べたいのなら
日本では絶対食べられないおかゆが食べたい!という希望には、このおかゆがひとつの正解だと思います!
ホルモン粥、モツ粥……なんという訳語が適切なのだろう……?こちら、Cháo lòng!
数えられないほどいろんなお肉の部位がもりもり入っていて、コリコリ、むちむち、プリプリ……食感が豊か!
しかも臭みがゼロ。臓器系のお肉が好きな方はメロメロ必至です。
もうひとつ推しポイントは、卓上のハーブ!フォー専門店でもよくあるのですが、ハーブがどどん!とでてくるのです!
このハーブをむしゃむしゃと食べたり、おかゆに乗せながら食べると最高においしいんだぁ〜……!
たっぷりホルモンのおかゆとハーブの組み合わせは、おいしくて身近な「食べる薬」って感じ。これを食べれば一発で元気になれるだろうな。
たっぷりハーブとスタミナ粥で元気チャージ!おすすめです。
店舗名:Cháo lòng Chị Thanh
所在地:47 Cô Giang, Phường Cầu Ông Lãnh, Quận 1, Hồ Chí Minh, ベトナム
牡蠣粥@Ốc Đào(ホーチミン)……貝好きなら一度は行きたい庶民派ミシュラン!
ベトナムの方は貝料理がほんとうに大好き。あちこちで貝料理をみかけます。
念のため到着直後は避け、滞在数日経って胃腸が土地に慣れたころにチャレンジすることに。
「Ốc Đào」というミシュラン掲載のきれいめレストラン!何を食べても美味しい系でした……!
そしてこちらが、Cháo Hào 牡蠣のおかゆ。感動でした。
小さな牡蠣がたくさん入っていて、旨味がすんごいの!しょっぱいわけじゃなくて味が濃いって感じ!
口当たりはとろりとしていて、米粒感も程よい。エシャロットなどの薬味使いも絶妙。
薄々感じていたけれど、大粒の牡蠣が必ずしもおいしいっていうわけじゃないんですよね〜。小粒だからこそぎゅっと詰まった旨味の力強さがあるのかもしれません。
いやはや、おいしかった。
店舗名:Ốc Đào
所在地:212B/D48 Đ. Nguyễn Trãi, Phường Nguyễn Cư Trinh, Quận 1, Hồ Chí Minh, ベトナム
ミシュランページ:https://guide.michelin.com/jp/ja/ho-chi-minh/ho-chi-minh_2978179/restaurant/oc-%C4%91ao
ベトナム語まとめ(こちらも随時更新中)
ベトナム語で「おかゆ」は「Cháo」。「こんにちは」は「Chào」!
上についた点の向き、声調(イントネーション)が違うけど、基本の言葉とこんなに近いなんて、暮らしとおかゆの近さを感じちゃうわ!
おかゆの名前
ベトナム語 | 翻訳 |
---|---|
Cháo Mực | イカのおかゆ |
Cháo Huyết | 血のゼリーのおかゆ |
Cháo Vịt | アヒルのおかゆ |
Cháo Ếch | カエルのおかゆ |
Cháo Trắng | 白粥 |
Cháo Gà | 鶏粥 |
Cháo Lòng | ホルモン粥、モツ粥 |
トッピング系
- Huyết 血の塊(血のゼリー、血豆腐、血のプリン)
- Hột vịt bắc thảo(HỘT VỊT BẮC THẢO)ピータン