台湾台北でおかゆをたらふくいただきました!
ネット上の情報には「台湾のお粥の特徴は北部は豚骨ダシ、南部は魚ダシ」と解説されているものがありますが、私個人の体感では台湾のお粥はそんなにわかりやすい分類ができるほど単純ではありません。
わたしがあれこれ見て回って作った分類は以下の通り。
<お粥研究家 鈴木かゆの台湾粥の分類 >
- 台湾らしいお粥
- 清粥……私が最も台湾らしさを感じたおかゆ。日本のお粥に近い白いお粥、もしくはさつまいものみのシンプルなお粥。おかずと合わせていただく。(→1・2)
- 台湾らしいお粥(雑炊系)
- サバヒー粥……鹹粥。台湾で愛される「サバヒー」という魚のお粥。台湾南部料理。(→3)
- 肉粥……鹹粥。肉出汁ベースの、旨味の強いサラサラと食べるファストフード的な粥。(→4)
- 中国の影響が強いお粥
- 砂鍋粥……いわゆる土鍋のお粥。(→5)
- 広東粥……いわゆる中華粥。店舗も種類も多様。(→6)
- 粥鍋……海鮮や肉、野菜などを1種類ずつおかゆの鍋に入れてたのしむ料理。お粥しゃぶしゃぶ、お粥フォンデュ。元は中国広東省の料理。現地の方にとっても珍しい。(→7)
- その他 変わり種系
- ファストフード店のおかゆ(→8・9)
- 屋台のテイクアウト粥(→10・11)
- イマドキ粥(→12)
1.清粥小菜「小李子」こんなにワイワイ食べる粥があるなんて……!
「清粥街(おかゆストリート)」の人気店、小李子さん。食べる分だけ選ぶおかず+シンプルなおかゆという構成の「清粥小菜」というジャンルです。
清粥街とは?
おかゆストリート・お粥通り・お粥横丁などと呼ばれる一帯。MRT「大安」駅とMRT「科技大樓」駅の間。かつては小規模な店舗を含め多くの粥店があったが、現在は規模の大きな2軒のみ。
「清粥小菜」はイマドキな言い方をすると、カフェテリア方式。「ビュッフェ方式」と訳されるものもありますが、均一料金の食べ放題ではなく、選んだ分だけ料金が発生します。学食形式・カフェテリア方式のほうがより近い言葉かな。
とんでもない種類のおかずから、自分が食べたいおかずをこれ!と指差すと、ババッと盛ってくれます。
自分で料理を運んで、空席を見つけて座ると……ドン!とお粥が鍋ごと出てくる衝撃!
味付けは一切なしの、王道のお粥。具はさつまいものみです。超おいしい。
しっかり味のおかずと素朴なお粥が合うですよ〜……!夜食の定番スタイルとされているのも納得。急激にお腹がいっぱいになる感じはなくて、ゆっくりとゆっくりと満たされていく心地。
大きなテーブルだと5人、10人で皆でおかずを分けながら、わいわいゲラゲラお粥をほおばっていて。お粥に「騒」のイメージが一切なかった私は、かなり圧倒されました。
そうだよなあ、お粥ならみんなが食べられますもんね、こういうお粥の場があってもいいのよねえ〜……!良い経験でした!
ちなみにお会計は最後。食べている途中で会計係の方がテーブルにきて、伝票を作ってくれます。食べ終わったらレジに持っていけばOK。言葉が通じなくても指を指しておかずが選べるし、意外と海外旅行客的にもありがたいかも。
お粥代の人数料金(一人30元 約135円)
おかず4品(280元、約1,250円)
店名:小李子清粥小菜
所在地:106台北市大安區復興南路二段142之1號
2.鉄板清粥小菜「周照子台灣鐵板清粥小菜」鉄板おかずとシンプルお粥
清粥小菜は、選べるおかず+シンプルなおかゆというスタイル!今回は目の前でおかずを作ってもらえる鉄板の清粥小菜へ。
お粥とスープは食べ放題。素朴なさつまいも粥と、あつあつのおかず、美味しすぎてエンドレス……!
おかわり自由のお粥は20元(約90円)。
おかずは1品60〜150元(約270〜680円)。
目の前で炊いてくれるからといってバカ高いというわけでもなく、普通〜ちょい高くらいのレストラン。
お粥の値段が無料になる基準が年齢ではなくて身長なのもおもしろいですねえ〜!
店名:周照子台灣鐵板清粥小菜
所在地:103台北市大同區民生西路155號
3.鹹粥・サバヒー粥「碧華虱目魚粥」台湾といえば!サバヒー粥!
虱目魚(サバヒー)は別名ミルクフィッシュ🐟
日本のサンマ並みに……いや、それ以上に?、現地の方に愛されてるお魚です。
火の通った身の部分は鶏肉のように食べ応えがあって、腹はとろっとろで……!
クセのある魚とも形容されますが、モノが良かったのかな、うっすら酸味を感じなくもないけれど、基本は火の通したマグロに近い感じ。
小口切りのセロリや揚げネギ、お米の甘みとのバランスが絶妙で、クセというよりアクセントと感じました◎
お粥は雑炊に近い系。
サラサラで美味でございました。
サバヒー粥は本来、台湾でも南のエリア(台南)の名物料理。
しかも傷みやすい繊細なお魚だそうで、朝イチで台南に食べに行くぞ!!!と気合を入れていたのに、まさかの新幹線の予約が取れていなくて泣く泣く台北で。笑
でも、現地の方が「ちゃんとおいしいサバヒー粥」と認めていお味に出会えたので結果オーライ!次回は台南で!
#台湾粥旅記 #碧華虱目魚粥
魚肚粥(110元、約490円)
店名:碧華虱目魚粥
所在地:241新北市三重區碧華街309號
4.鹹粥・肉粥「周記肉粥店」お茶漬け的なファストフード粥!
大鍋から、サッ、サッ、サッとすくって、ドン!
カコイチの速さでサーブされました笑
スープのようにサラサラの「肉粥」。
日本の感覚だと雑炊やお茶漬に近いです。米よりスープが主役という感じ。
肉の旨味たっぷりの澄んだスープにサラサラの米粒と揚げ肉?、干し海老。
こんなに「かっこめる」粥があるのか〜!とびっくりでした。
小盛りなこともあって、2杯、3杯食べている地元の方もいてこれまた驚き。
「ちゃちゃっとちょうどよく腹を満たすファストフード」という印象でした。
周記肉粥店はグーグルレビュー3,500件超えの超人気店!
確かに近くにあったらふらっとまた行きたくなる謎の依存性があるかも。笑
#台湾粥旅記 #周記肉粥店
肉粥(15元、約65円)
店名:周記肉粥店
所在地:108台北市萬華區廣州街104號
5.砂鍋粥「十二月 粥品・飲茶・私房菜」グツグツあつあつ土鍋粥
砂鍋粥というジャンルのお粥をいただきました!
砂鍋粥≒土鍋粥。
グツグツに煮えたぎったお粥をふーふーはふはふほおばるしあわせよ……!
こちらのお店のこだわりポイントは、コクとしてピーナッツバターを使っているところ。
お粥に「ごま油」は定番だし、ナッツ類の油分と考えると相性の良さも必然で。
あまりの違和感のなさ&美味しさに「なんで今まで気づかなかったのだろう……!」と少しへこむほどでした。笑
セロリが入っていたりと、味の作り込み、こだわりを感じるものの、基本的には食材の旨味を引き出した薄味系。
こんなにこってりなお粥なのに最後まで飽きずに食べられるなんて、感動!
予約必須の人気店です。何食べてもおいしかったです。
旅の思い出のとっておきのごはん枠にイチオシです◎
#台湾粥旅記 #十二月 粥品・飲茶・私房菜
養生百菇粥(養生たっぷりきのこ粥):270元、約1200円
総額:905元、約4,300円/二人
店名:十二月 粥品 • 茶飲 • 私房菜(台北大安店)
所在地:106台北市大安區大安路一段19巷10號
6.広東粥系「福星廣東粥小卷米粉」旨味ばっちり広東粥
ふらっとたどりついたお粥屋さんで、招牌蛤蜊粥なるお粥をいただきました!
「招牌=特製・看板メニュー」、「蛤蜊粥=はまぐり粥」。
さすが看板料理。とんでもない量の器に、これでもかー!ってほどの、はまぐり、はまぐり、はまぐり!
エビまで入っててめちゃゴージャスでした。
お粥の粒感はほぼ消えた柔らかめ。
さらさらとろとろおいしくて、すごい量だったのにペロリでした。
このお店の粥ネオンが欲しくなりました🥰笑
福星廣東粥小卷米粉
招牌蛤蜊粥(130元)
店名:福星広東粥小巻米粉
所在地:103台北市大同區萬全街32巷8號
7.粥鍋「八腳老大養生粥火鍋」念願の粥鍋!
いやあ、贅沢の極みでした〜……!中国広東地方にルーツをもつ粥鍋をいただきました!
おかゆの上澄み(重湯、お米のスープ)で贅沢具材をいただく粥鍋。
ポイントは具材を混ぜないこと。 海鮮は海鮮だけ、きのこはきのこだけ、肉は肉だけ、それぞれを順番にいただくことで、お鍋のスープを徐々に「育てていく」感じ。乳白色だったお鍋は最後は濃い色に。
魚介の旨み、蟹の卵や味噌、きのこの出汁、肉の脂、野菜の甘み……いろんなものが絡まり合って、最後の最後まで絶品でした。
メスカニ牛肉選択 養生粥底火鍋2人分&ビール2本(3,509元、約15,700円)
店名:八脚老大養生粥火鍋
所在地:10483台北市中山區錦州街241巷1弄17號
8.ファストフード「肯德基」ケンタッキーで朝粥!?
ケンタッキーでお粥が食べられるなんて!朝限定の「紅藜燕麥嫩雞粥」をいただきました。
紅藜=レッドキヌア
燕麥=オーツ麦
嫩雞粥=やわらか鶏粥
ベースはふつうのお米。けっこうとろとろ系だから、穀物たちのつぶつぶ感と揚げ鶏のカリカリが映えてめちゃおいしい……!オリジナルチキンの味ではなくて、チキンクリスピーに近い感じ◎
味つけが濃すぎなくて、ちゃんと穀物の風味をたのしめる加減なのもスキスキ。
レベル高い。美味でした!
#台湾粥旅記 #肯德基 #ケンタッキー
紅藜燕麥嫩雞粥とドリンクセット(65元、約290円)
店名:肯德基 台北雙連餐廳
所在地:10491台北市中山區民生西路9號
9.ファストフード「SUKIYA」すき家で朝粥
粥界では有名な(?)、台湾すき家の朝粥をいただきました!
牛皿と粥って合うんですねぇ〜……!めちゃウマ!
生姜と揚げネギが良い味を作っている、とろとろ系のお粥。
台湾の感覚ではけっこうしっかりめの味付けですが、日本の感覚だと相当薄味のおかゆだと思います。
牛皿も日本のものよりも甘めかな?
みりん的な甘味を強く感じて、それがまたお粥と合うポイントなのかもしれません◎
台湾ケンタッキーの朝粥でも思いましたが、ただお粥というメニューが置いてありますよ〜だけじゃなくて、ちゃんとお店の売り(チキンなり牛皿なり)が映えるように構成されているところがすごいですねぇ👏
#台湾粥旅記 #SUKIYA
日式朝食 牛肉小碟早安粥朝食(99元、約450円)
牛肉早安粥(49元、約220円)
店名:すき家 SUKIYA 民權西路店
所在地:104台北市中山區民權西路75號
10.テイクアウト「雙連朝市」夏限定、冷凍粥!?
朝市で「粥」の字に誘われて購入。
何とびっくり、ほんのり甘くて(!)、中が凍ってて(!!)、スプーンで崩しながら食べるスイーツ系!
イメージとしては「あずきバー」に近いでしょうか。
燕麦、紫米、緑豆小豆。穀物ならなんでもパターンが作れそう◎
ノンギルティなひんやりスイーツ。日本にもあったら最高だなぁ〜……!
#台湾粥旅記 #雙連朝市
緑豆小米(35元、約155円)
市場名:雙連菜市場
所在地:10491台北市中山區民生西路45巷5-1號
11.テイクアウト「雙連朝市」身近なお粥がおいしすぎる!
「粥」と名のつくお品をいただこうと先日の朝市のお粥の売店に再びGO!
この日は冷たいものは売り切れだったので、温かいお粥をいただきました。
糙米(玄米・分づき米)、にんじん、最低限の塩っけ。
レトルト粥や作り置き系量産粥にときどき感じる、食べ終えた後の独特のえぐみや苦味は一切なし。
素のお粥がめちゃくちゃおいしいから、ついていた肉鬆(ふりかけのような肉でんぶ)、メンマっぽいやつも、刺激的すぎると思うほどでした。
#台湾粥旅記 #雙連朝市
糙米粥(35元、約155円)
市場名:雙連菜市場
所在地:10491台北市中山區民生西路45巷5-1號
12.イマドキ粥「滿粥穗」チート級においしい流行りのおかゆ
【台湾粥旅記 その11】チート級においしいイマドキ粥!
トリュフ×卵×ごま油……そりゃ〜、おいしいですよ〜〜〜!
台北101のフードコートにも入っているイマドキ粥、滿粥穗さんのお粥をいただきました。
おもしろいのが「お粥仕立て」と「お茶漬け風(雑炊風)」を選べるところ。
たしかに、お粥のようなやわらかいトロトロ感が欲しいときもあるし、お茶漬けのようなサラサラを求めるときもあるし。
この自由度の高さ、さすがお粥先進国。
台湾ではお粥はおかずと合わせることが多いようですが、こちらは珍しく単品で食事を完成させることを想定しているお粥だからか、異色の味の濃さ。
ごはんやスープではなくて、ラーメンや丼ものなどがライバルだとしたら、確かにこのくらいの塩っけは必要とされるのかも。
いろんなお粥がありますねえ〜……!
#台湾粥旅記 #台北101 #滿粥穗
松露芙蓉麻油燉雞粥(200元、約900円)
店名:満粥穂 台北101店
所在地:11001 台湾 Taipei City, Xinyi District, City Hall Rd, 45號B1
店名:満粥穂 満粥穂 台北大安店
所在地:106台北市大安區大安路一段11號