秋にだけ出会える、みずみずしい新米。新米はたっぷりの水分を含んでいるため、1割くらい水を減らすと通常のお米と同様の固さに炊き上がると言われています。
でも、せっかくなら、新米をいつものおかゆと同じ固さにしようと調節するのではなくて、新米のおいしさを生かす水加減にする、と考えてみてはいかがでしょうか?
新米のみずみずしさをたのしむときは、水を多めに。新米の粘り気を引き立てるときは、水を少なめに。
「新米=水を減らす」と考えるよりも、ずっと豊かで多様な「新米の白粥」に出会えます。
秋にだけ出会える新米で、自分だけのとっておきのおかゆを作ってみませんか?
基本となるレシピのほか、水分量の考え方、記事後半では水分量の異なるおかゆの魅力を写真つきでたっぷりご紹介いたします!
新米でつくる『白粥』のレシピ
調理時間:50分
材料(お茶碗2杯分/どんぶり1杯分)
- 生米 1/2合(約75g)
- 水 今回は630ml(450ml〜900ml の間で調節)
- 塩 小さじ1/3〜
トッピングに
- 梅干しなど
新米の白粥の特徴(目安)
ここではざっくりと水分量でのおかゆの違い、注意点をご紹介します。
お茶碗2杯分、新米半合(90ml)を「1」としたときのおかゆの仕上がりの目安です。
おかゆの種類 | 食感 | 特にどんな特徴が生きるか |
---|---|---|
8倍粥(720ml) | さらさらとろり | 新米のみずみずしさ、透き通った香り |
7倍粥(630ml) | ぽってりふっくら | 新米の甘み、粒感 |
6倍粥(540ml) | ねっちょりもっちり | 新米の粘り気、やわらかさ |
たとえば、「8倍粥」であれば「米:水=1:8」。米1/2合は90mlですので、その8倍の720mlの水を入れる、と考えます。
注意点
- おかゆははじめに水分量を決めます。
後から水を継ぎ足すと、重湯(上澄みの粘り気)が分離したり、べちょべちょ感の強いおかゆになる可能性があります。 - 水分量の多いおかゆは、吹きこぼれやすくなります。
十分な大きさのあるお鍋をご用意ください。 - 水分量の少ないおかゆは、焦げつきやすくなります。
鍋底をしっかり火の中心に合わせ、厚手のお鍋をご用意ください。
この記事では7倍粥を作りますが、水の量が変わっても手順は同じです◎
それぞれのお味の違いは、記事の後半で詳しくご紹介いたします!
作り方
厚手の鍋によく研いだ米、水を入れる。
ふつふつと沸くまでフタをせずに中〜強火にかける。
鍋に白い泡がふつふつと立ったら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。鍋にお箸を渡してフタをした状態で、弱火に30分かける。
塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜたら、火を止める。フタをして10分蒸らす。器に盛りつけたら完成!
詳しい作り方
写真つきで作り方をご紹介します。
①鍋に具材を入れる
厚手の鍋によく研いだ米(1/2合)、水を入れます。今回は630mlを入れました。
今回は「銀峯 花三島 土鍋7号(1〜2人用)」を使用しました。土鍋以外でも、厚手なお鍋であれば両手鍋・片手鍋でもOKです。
②鍋の温度を上げる
ふつふつと沸くまでフタをせずに中〜強火にかけます。
③コトコト煮込む
鍋の白い泡がふつふつとしたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜます。
鍋にお箸を渡してフタをした状態で、弱火に30分かけます。
<ポイント>
お箸をかませてフタをすることで、吹きこぼれを防止することができます。
④味付け&蒸らし
塩(ふたつまみ程度)で味をととのえます。鍋全体をゆっくりとまぜたら、火を止めます。
フタをして10分蒸らします。蒸らし時間でお味が馴染んで、おかゆの米粒がふっくらします。
<ポイント>
蒸らし時間でお味が馴染んで、おかゆの米粒がふっくらします。
お好みの具材とともに器に盛りつけたら完成です!
あらためて、ほんのすこ〜し、たった1/2合のお米が、お鍋いっぱいのおかゆになるだなんて、すごいですね〜…!
新米の7倍粥、気になるお味は?
今回作った7倍粥のお味をご紹介します。
新米の白粥の特徴(目安)
おかゆの種類 | 食感 | 特にどんな特徴が生きるか |
---|---|---|
8倍粥(720ml) | さらさらとろり | 新米のみずみずしさ、透き通った香り |
7倍粥(630ml) | ぽってりふっくら | 新米の甘み、粒感 |
6倍粥(540ml) | ねっちょりもっちり | 新米の粘り気、やわらかさ |
新米の7倍粥は、ふっくらとした食感で、新米の甘みを上あごで潰しながら堪能できる感じです。ああ〜…おいし〜い…!
おかゆらしいとろみと、ぽってり感。そして、粒感もあって。ああ、甘い。新米って甘いんですねえ。
おかゆのアクセントに、食感がたのしいものや、ちょっぴり刺激のあるものを添えました。この日は、青とうがらし味噌、海苔の佃煮&糸唐辛子、梅水晶!
こりこりのぬか漬けとか、あられみたいなものもおいしいだろうな〜。ほっとするお味でした。
新米の8倍粥、気になるお味は?
今回作った7倍粥よりも水分量の多い、8倍粥をご紹介します。
新米の白粥の特徴(目安)
おかゆの種類 | 食感 | 特にどんな特徴が生きるか |
---|---|---|
8倍粥(720ml) | さらさらとろり | 新米のみずみずしさ、透き通った香り |
7倍粥(630ml) | ぽってりふっくら | 新米の甘み、粒感 |
6倍粥(540ml) | ねっちょりもっちり | 新米の粘り気、やわらかさ |
8倍粥は、見るからにとろとろ〜〜〜〜、ですよね!
お寺でいただくおかゆは、このくらいサラサラのものが多いイメージです。
あとは、パウチのおかゆに慣れていらっしゃる方は、このくらい柔らかいとろみのあるものを「おかゆらしいな」と感じるかもしれません。
くたっとやわらかくて、新米のみずみずしさが生きてます〜…!
水分量が多いので、ボリュームが出るのも魅力です。お米がたっぷりに増えて、やわらかいお米のポタージュ、という感じ。癒し系です。
やさしさがより際立つように、キリッとしたしっかり味の添え物にしました。 おかか、梅干し、塩昆布。
じんわりじんわり、あたたまりました。
新米の6倍粥、気になるお味は?
最後にいちばん水分量の少ない、6倍粥をご紹介します!
新米の白粥の特徴(目安)
おかゆの種類 | 食感 | 特にどんな特徴が生きるか |
---|---|---|
8倍粥(720ml) | さらさらとろり | 新米のみずみずしさ、透き通った香り |
7倍粥(630ml) | ぽってりふっくら | 新米の甘み、粒感 |
6倍粥(540ml) | ねっちょりふっくら | 新米の粘り気、やわらかさ |
新米の6倍粥は、ぽってり!も〜っちり仕上がりました!まるでもち米で作ったおかゆのよう。
すごい、新米の粘り気がしっかり出ていますね!米粒がキラッキラです。
お鍋によっては、やわらかめのごはん、というくらいの固さになるかもしれません。
もっちりとしたおかゆに絡むようなものや、お餅に合うものをヒントに添え物を選びました。桜の塩漬け&きなこ、梅干し&とろろ昆布、みたらしあん。
甘い系、しょっぱい系、どっちもおいし〜い…!
ボリュームは出ないので、一瞬「少なっ!」と思うんですけど、もちもちもちと結構食べ応えがありました◎
まとめ
以上、新米の3種類のおかゆ(6倍粥・7倍粥・8倍粥)をご紹介いたしました!
新米の白粥の特徴(目安)
おかゆの種類 | 食感 | 特にどんな特徴が生きるか |
---|---|---|
8倍粥(720ml) | さらさらとろり | 新米のみずみずしさ、透き通った香り |
7倍粥(630ml) | ぽってりふっくら | 新米の甘み、粒感 |
6倍粥(540ml) | ねっちょりもっちり | 新米の粘り気、やわらかさ |
ね〜、それぞれ魅力があって、特定の水加減が「正しいおかゆ」ってわけではないんですよ〜…!おもしろいですよね〜!
新米でおかゆをつくるときは、ごはんを炊くときの「新米=水を減らす」という考えは一度置いておいて、ぜひ新米のどんな特徴を堪能しよう?と考えてみてください!
秋にだけ出会えるとっておきの新米で、とっておきのおかゆ時間をお過ごしください。
みなさんのいただきますが笑顔でありますように!ごちそうさまでした!